個人的読書記録等

読んだ本を適当に記録していこうかなと思います

読書記録 5

24人のビリー・ミリガン

ダニエル・キイス

ミリガンは一つの体に多数の人格が存在していることを除けば(ここが一番重要な所なのだが)普通の人と変わりがない。何が言いたいかというと一つ一つの人格は異常でも狂っているわけでもないということだ。しかし役割が分けられたことによって少しばかりの極端さは見受けられる。

人格がある以上罪は問えるのでは?と思ったのだが、問題なのは一つの人格が犯した罪に他の人格もまた罪を贖わなければならなくなることである。

ミリガンの多重人格にも興味をそそられたが、何より興味深かったことはミリガンに対する社会の反応である。ミリガンというセンセーショナルな人間が社会に対しどのような影響を与え、どのような反発を受けたのか、この時代の精神病患者に対するスタンスが見て取れる。